鈴木沙織さんは第16回メディア芸術祭のアニメーション部門で『感傷の沈殿』が、審査委員会推薦作品に選出されました。今回の支援では、『感傷の沈殿』で使用している半立体のキャラクターをコマドリ技法で動かす技法を使いながら、『大丈夫だよ』という強いメッセージを描く作品に取り組みます。

今後の制作を始めるにあたり、アドバイザーのアニメーションディレクターの伊藤有壱氏、ゲームクリエーターの岩谷徹氏との面談が実施されました。

面談ではまず、鈴木さんのこれまでの作品が紹介されました。鈴木さんは、過去の作品に対して、音響、作品の中に間がないこと、そして強いテーマがないという課題を挙げた後、今回の支援を生かして、作品の質を向上させたいという意向を伝えました。そのため、これまでの個人制作のスタイルだけを採用するのではなく、一般的なアニメーション制作の手順、方法をリサーチし、外部クリエイターとの連携なども考慮して制作をすすめたいという希望を持っています。楽曲の面に関して、岩谷氏からは、かつてアニメーションと楽曲の関係をリサーチしていたことがあり、その経験から作品のテンポの良さを引き出す場合は、どのタイミングで音楽を制作するかは作品にとっては重要であることが指摘されました。そして、伊藤氏からは、制作の手順や情報は多岐にわたるため、もう少し具体的な目標を作り、それを解決していくような具体的な計画を立てるようアドバイスがありました。その作品の具体的なイメージを映像上で確認するため、ビデオコンテを制作する必要性も伝えられました。

次回の打合せは10月上旬を予定しています。