水江さん、藤田さんと、アドバイザーの伊藤有壱氏、タナカカツキ氏が面談を行いました。
まず水江さんから、作品の予告編が提出されました。アニメーションの一般的な制作方法として、1シーンの背景は一枚描けば成立しますが、今回は、背景を構成する家、木、塀などの要素がそれぞれ分割され、1シーンにつき何枚も描かれているため、常に世界がぐらぐらと歪んで運動を続けているように感じられる作品となっていました。藤田さんからは、老若男女問わず、おもしろいと感じてもらえるストーリーを目指して制作しているという現在の方向性が伝えられました。藤田さんとの分業体制で制作を試みている水江さんによれば、藤田さんの絵コンテが今までよりさらに自分自身の作品として腑に落ちてきているということでした。また、国内で愛されるキャラクターを目指して、主人公の名前を「ももんくん」にしたそうです。
タナカ氏からは、水江さんの独創的な、明らかに行き過ぎた表現であるからこそ、主人公である、「ももんくん」が気になってくるという意見がありました。キャラクターの存在感を意識して、今後、物語の展開を見据えた場合、単に「子供の想像力は豊かである」というステレオタイプな結論に落ち着くことなく、裏切りのある展開があった方が良いのではないかというタナカ氏の発言もありました。伊藤氏からは、誰かのために作品をつくるというより、二人の作家自身が妥協なく満足できる作品を目指す方向性が、この作品を高みに押し上げる原動力になるのではないかというアドバイスがあり、既に活躍中の作家二人には国内よりもむしろ、世界を目指す作品への視野を期待したいとのことでした。
2月9日に行われる成果プレゼンテーションまでに、全体の半分くらいまで作品が完成している予定です。