映像・音楽・物語を融合させた作品づくりを得意とするインディーゲームクリエイターの葉山賢英さん。並行世界への転送をテーマにした今作『HEIMA』では、芸術的な映像表現と物語性を追求していきます。最終面談では、完成に近づいた体験版をデモンストレーションしながら進捗が報告され、アドバイザーと転送の演出について議論を深めました。また、作品の面白さを伝えるための方法についても意見を交わしました。
アドバイザー:米光一成(ゲーム作家)/織田笑里(404 Not Found ジェネラルマネージャー/チョコとマシュマロ合同会社代表)
最終面談:2026年1月15日(木)
転送の面白さを引き出すには
やってみたいと思わせるために
成果発表イベントやゲームイベントで公開する予定の体験版の進捗について、9割以上完成したと話す葉山さん。体験版のゲーム時間はおよそ15分です。デモンストレーションを行い、各シーンの説明をしながら面談を進めました。


葉山さんは、作中に登場するサポートロボットnicoについて「以前の面談でのアドバイスを受けて、喋り方を工夫したり少しおっちょこちょいな性格にしたりして、愛嬌を感じられるようにした」と伝えました。また、ゲームのパズルを解くための重要なスキルである転送についても、そのシステムを見直したとのこと。「人間が転送できるとパズルが易しくなりすぎるので、人間は転送できないようにした。DNAの不具合が起きて危険だから人間の転送はできないという設定にし、チュートリアルで説明する予定だ」と説明します。試しに転送の動きを画面で見せました。
米光一成さんは、「作品の世界観が丁寧につくられている一方で、プレイヤーだけでなくプレイ画面を後ろから見ている人にもやってみたいと思わせるような、ワクワク感が今はまだ弱いのでは」と指摘します。「特に転送はゲームの肝になることから、転送した瞬間、もうそのこと自体が面白い! と感じるような仕掛けがほしい。先にゲームの面白さを伝えて、説明はあとでもいいのではないか」と話しました。
織田笑里さんは、興味を持ってもらうための最初のきっかけとして、15秒か、長くて30秒ほどのテレビのPR映像がヒントになると話します。「文脈がほぼつながってなくても、インパクトのある映像を並べて、プレイしてみたいと思わせる。そのような導入となる短い映像が、体験版の前に出会うものとして存在すると良いのでは」と伝えました。

転送の演出を考える
3人は、転送についてさらに議論を進めました。葉山さんは極端に大きさの違うもの同士を転送させるアイデアを話します。織田さんは、転送する必要ないものまで試しにやってみたくなると良いのではないかと話しました。葉山さんは、アドバイザーの意見に同意しながら、「転送のエフェクトやタイミングを研究したい」と答えました。フィールド上のさまざまなオブジェクトを転送させることが可能だと話す葉山さんに対し、米光さんは、そのことをゲームの序盤から示しておく方法もあると話しました。「プレイヤーが無駄に転送したらいろいろ壊れていって屋敷が壊れて。ダメだ、こんなことしては……と思わせるような極端なことも面白そう」と話します。

米光さんは、ボタンを押した瞬間の動きがゲーム体験に及ぼす影響が大きいため、特に力を入れてほしいと言います。「転送の楽しさを演出できたら、それを中心にゲームを構築していくことができる」と話しました。
待ち時間を飽きさせない工夫
面談の後半は、成果発表イベントの空間構成や展示物について話しました。葉山さんは、来場者が体験版をプレイできるようにするほか、世界観を表すパネルや映像を展示したいと話しました。また、展示会場に滞在してその場でゲームを制作したり来場者とコミュニケーションをとったりしたいと話します。米光さんは、ゲームを遊んでいる人の様子を見たり直接話したりする機会は貴重だとしてぜひ会場にいる時間を長めにとってほしいと話しました。

米光さんは、体験版の順番を待つ人が退屈しないよう、少し長めの映像を流すことも検討してみてほしいと話します。織田さんも「制作風景をドキュメント仕立ての映像にしてもよいのではないか」と提案しました。
面談の最後に米光さんがゲームを体験。操作感やパズルの難易度、パズルが解けた時の演出について3人で意見を交わしました。
→TO BE CONTINUED…
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