『3D Light Writer』という空中に光る立体を書き出すアプリケーションが昨年度[第15回]のエンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選出された樫田壮一さんは、日本人にとって馴染みある行事、餅つきをテーマにした作品を現在、企画しています。
この作品の制作にあたり、アドバイザーとして、ゲームクリエイターの岩谷徹氏、マンガ家のタナカカツキ氏が参加し打合せが行われました。
まず初めに樫田さんからアドバイザーに対して、これまで自身が手掛けてきた作品が紹介され、その後、今回の作品の詳細が説明されました。今回の企画『餅つき』では、臼の中にある餅を杵でつく瞬間に、爆音と光が発生します。展示会場では、体験展示とプロの餅つきパフォーマーによるデモンストレーションの双方を検討しているということでした。
詳細を聞いたアドバイザーからは、装置の仕組、具体的な音量や光の発生方法、発光イメージなど、実際の展示空間を想定するために必要となる質問が続きました。続いて、餅つきをテーマとして選んだ理由や、これまでの作品との類似点などに話が及んだのち、これまでの樫田さんの作品に共通する分かりやく、インパクトがありながらも皮肉やユーモアが感じられる特徴が、今回の企画ではまだ見えていないことがアドバイザーより指摘されました。冒頭でこれまでの作品を興味深く見ていた岩谷、タナカ両氏からは、企画自体をより魅力的することが可能であろうことを前提に、スケジュールを考慮しながらもコンセプトをもっと明確にし、再考すべきではないかとのアドバイスがありました。また、今回の作品は空間に応じて展示方法の変更が生じるため、展示もバリエーションを持って検討する必要があることも指摘されました。
次回の打合せでは、引き続き、コンセプトを含めたが話し合いが行われることになりそうです。