概略

展示テーマとなる「Apparition=出現」は、現実的な三次元を超えた高次元世界にある対象が、三次元世界の目前に「出現」することを指す。「出現」は現代美術における創造行為において極めて重要な観点だと企画者は考える。さまざまな表現メディアを駆使しながら、「テクノロジー」と「愛」について考察する山内祥太の作品を通じて、「Apparition=出現」の語が示す意味を現代の視点から再考する。

プロフィール

中尾 拓哉:美術評論家、芸術学。博士(芸術)。1981年生まれ。近現代芸術に関する評論を執筆。特に、マルセル・デュシャンが没頭したチェスをテーマに、生活(あるいは非芸術)と制作の結びつきについて探求している。著書に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017)。近年のキュレーションに「メディウムとディメンション:Liminal」(2022、柿の木荘/東京)など。
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山内 祥太:アーティスト。1992年生まれ。インターネットが普及した1995年以降のリアリティとともに育った世代として、自己と世界の関係性や、自分の認識する世界と現実の間にある裂け目といったものを、さまざまな方法で明らかにしようと試みてきた。映像、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど表現メディアは多様で、クレイアニメーション、クロマキー、3DCG、3D印刷、VR、モーションキャプチャなどの技術も自由自在に用いる。
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