概略

人に襲いかかろうとする自律ロボットを、鎖に拘束した不自由な状態で展示するインスタレーション作品。鑑賞者は、ロボットの攻撃が届かない安全な距離を保ちながら、その〈殺意の視線〉と対峙する。既にじゅうぶんな運動能力と殺傷力を有しながら、たった1本の〈倫理の鎖〉によってかろうじてコントロール下にある人工の猛獣は、それに睨み付けられる人間の目に〈生きた他者〉として映るだろうか。

プロフィール

情報科学芸術大学院大学[IAMAS]修了。「ロボットという〈人と同じ空間に存在する、人の姿を模した人ならざる物体〉をいかにして人たらしめるか?」という問題意識から、〈視線〉の表象に着目し、自作のロボットを用いて対人インタラクション表現を探究してきた。2018年に発表した表情模倣ヒューマノイド作品『SEER』は国内外で高い評価を受け、ドイツ・フランスを中心に多くの美術館や国際芸術祭への招待出展をこなす。
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